アルゴリズム2
写していようが自力で解いていようが、そこは大きな問題ではない。計算ドリルだって横に大人がついて全て答えを教えているかもしれないのだ。
この宿題のチェックの代わりに、1問だけ選んで、その場でさせてみてもいい。そして正解ならば、前日までの学習内容については、およそ合格していると言えるだろう。
定規を使っている、補助計算を書いている、数字の書き方は濃く大きくはっきりと書いているなどのていねいさの条件が満たしているかを日々チェックする。5問のノートなら、一瞬で見て判断できる。
子どもも自分の達成度がすぐに評価できる。
3年生の筆算「2桁×1桁」は、全部で何通りあるかご存じだろうか。「11×1」から「99×9」まで881通りある。
これを全部取り組ませる必要があるだろう。
もしそうだとしたら、「2桁×2桁」あるいは「3桁×2桁」は膨大な数になる。割り算も同様である。そして、5年生でこれに小数が加われば無理なことは分かっている。
先の「2桁×1桁」は繰り上がりのパターンなどで分類すると、6種類に分けられる。
この6種類のパターンをそれぞれに理解し、どのパターンでも処理できるようになれば、881通りを全てできると考えることができる。
事実、教科書の練習問題は、その構成になっている。
だから、教科書にある問題を確実にできるようになれば、881通りのいかなる問題であってもできるようになるのである。
少ない問題数でも、そのパターンや系統を踏まえた上で、計算の手順を確実に身につけさせていく。そのために少量の問題をていねいに解かせていくことを日々続ける。
それだけで子どもたちに「一桁の加減乗除」を踏まえた確実なアルゴリズムの定着が可能となる。
断言する。
計算ドリルもプリントの反復も一切なくても、子どもたちは計算処理ができるようになる。大量消費型の練習はむしろ雑になることを奨励するだけで、いっそうていねいさを失わせている。教師の古い思い込み(あるいは単なる習慣の継続)が失敗の原因となっているのである。