一桁の加減乗除
一桁の加減乗除は、暗記し瞬時に答えが出るレベルまで、子どもたちの力を引き上げておかなければならない。
ここでいう「一桁の加減乗除」とは、
以上の5種類を指す。
穴あき九九については、私の経験上、子どもたちに必要と考えてセットの中に入れている。
この5種類と、これ以降に出てくる筆算の計算群は明確に分けておく。なぜならば、筆算の計算は、これら一桁の加減乗除がベースとなって成立するからである。
それも可能な限り暗記している状態が望ましい。
そもそもこれらの一桁の加減乗除ができない、あるいは著しく計算が遅い場合は、筆算を進めていくのに非常な負荷をかける。
この一桁の加減乗除に目を付けて集中的にトレーニングできるようにしたものが「百マス計算」である。
その目指すところは、大いに賛成である。
しかし、これをマスの中に答えを書く方法だと混乱する子どもが出てくる。視線の動きが乱れ、どこに何の答えを書いていいのか分からなくなるのだ。計算練習をしているのに、計算でない部分で混乱する。
百マスを埋める形の練習は、実は教師にとっては便利である。用紙が小さくて済み、ランダムに問題を作ることができる。
ただし、これは全部を答え合わせしようとすると莫大な時間を要する。基礎練習としての百マス計算なのに、当該学年の授業時間を圧迫してしまい、何のためにやっているのか分からなくなる。
一桁の加減乗除が苦手なのはスポーツで言えば、走り込みが足りないことに似ている。
さらに難度の高いレベルを目指そうと思っても、基礎が脆弱であるため、上に応用が乗らないのである。