漢字6

学校通信2019より抜粋 №251

 今を大切にする

 教室で漢字練習をするときに

「家に帰ってから覚えようなんて思ってはいけません。今この場で覚えてしまうのです。そして、二度と忘れないようにするのです。」

 というような話をしていました。

 実際に、新出漢字の練習をした後すぐに、テストをしたことがあります。

 テストのページに出てくるのは、新出漢字とすでに習っている漢字だけです。後は熟語になったときに読み方が難しいものだけです。

 「君たちが今、真剣に新しい漢字を覚えたのなら、どのくらいの点数が取れるでしょうか。」

とやや挑発をします。

 そして、1~2分程度の練習時間をとって、いきなりテストをします。

 実は、たったこれだけの練習でもかなりの割合の子どもたちが、満点を取ります。また、残りの多くの子どもたちも7割8割と点数をとります。

 その事実に、子どもたち自身がちょっと驚きます。

 7割程度の子どもたちには「何にも練習しないでも、これだけ答えられたのです。あと3問できるようになれば、本番は満点ですよね。」と説明します。

 今まで、家に帰ってから全部練習していた子どもたちも「あと3問」と言われれば、見通しが立ちます。

 逆に満点を取った子どもたちには「明日も満点が取れるようにチェックをしておきましょう。」と念を押しておくのです。

 これは計算練習でも、さらには跳び箱など体育の練習などにも言えます。

 練習をして、すぐ評価の場を設定することが分かれば、子どもたちは練習への集中力が格段にあがります。

 そして想像以上に上達します。その上達に子どもたち自身がやる気が出てきます。

 これは、子どもたちの記憶のスパンによると想像しています。子どもたちは、明日のことなどはるか遠くのことで、実感がわきにくいのです。これが「今からテスト、そのための練習」と言えば、目標が明確に見えてくるのではないかと思っています。

 子どもの視点で見て、努力が結果に表れることを実感できるのは大切なことです。

 余談ですが、跳び箱の学習の時には「家に体育館と跳び箱がある人?」と聞きました。

 あるわけないので、みんな笑います。そこで「ですよね。だから、今練習しないと上達しないのです。この時間にたくさん跳んで練習しましょう。」と話をします。

 こんなところからも授業の集中力が高まるのです。

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