掃除が始まる直前の教室。
あちこちの掃除区域に子どもたちが散らばる前に、初めの机の移動は全員でやってしまうだろう。
一番初めに机は、後ろに寄せるだろうか、前に寄せるだろうか。
私は前に寄せるようにしていた。
つまり、教室の後ろから前に向かって掃除をしていくことになる。
こうすると、後ろの棚にあるランドセルなどの荷物がごみをかぶらなくて済む。
教室の前には教師用の机などいろいろなものが置いてあるが、その細かいところを掃く担当を一人つけて、最終的にその担当の子どもが集めたごみと後ろから集めてきたごみを集約することができる。
掃除が始まる前の机の移動をするときの場面を切り取ってみる。
後ろに移動するから、まず子どもは自分の椅子を後ろに移動し、そのあとで机を移動するという順番になるだろう。
この時に後ろから二番目の子は、じっと待っている。細かいようであるが、時間の無駄である。
一番後ろの子どもが椅子を移動しているときに、二番目の子どもが机を運んであげる。次に二番目の子どもが自分のいすを運んだら、三番目の子どもが机をはこんであげる。
そうやって一番前の子どもまでやってきたら、初めに机を運んでもらった一番後ろの子どもが机を運んであげる。
このようなルールは厳格に作用させる必要はない。しかし、工夫次第で少しずつ時間が短縮することは教えることができる。
子どもたちも机の移動を早く終わらせることが分かってくると、机が移動するごとに人が余ってくることが理解でき、次々と手伝うようになってくる。
自分の順番をじっと待っておくよりも、協力することによって時間が短縮されることを学ぶ機会となる。
「みんなで協力しましょう」というスローガンだけを打ち上げて、一部の子どもたちの善意に依存するような方法よりも小さくでも具体的な手順を教える方がいいと考えている。
清掃指導ラインナップ
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目標を明確にする清掃指導
本末転倒の清掃指導
清掃指導(ほうきの使い方)
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