子どもたちにほうきを使わせると、一つのごみだけを見て、それを集めるべき場所へもっていこうとする。
だから、きれいになる場所にムラが生じる。また、目立ったごみがない場合は、ただほうきを左右に振っているだけになる。結果として、ごみが行ったり来たりしているだけである。
「ペンキを塗るようにほうきを動かしなさい。」
という指示が、まず原則となる。
ごみを集めるべき場所から最も遠くの場所が起点となる。一度教師がやってみる。
そこから、透明のペンキを塗っていくようにほうきを動かす。
「今、どこまで透明ペンキを塗りましたか。」
子どもたちが「ここからここまで」と指さすだろう。
「そこは今、もう見えないゴミもなくなった場所です。では、ごみはどこにありますか。」
子どもたちは、ほうきが動いた端を指さす。
「そこからまたペンキを塗ります。」
と言ってほうきを動かし、またどこまで透明目ペンキが塗れたかを確認させる。これをごみを集める場所まで繰り返す。
やがて、ごみが集まり見えてくる。今まで見えてなかったけれども、実はこれだけあったんだということに気づかせていく。
実際に子どもにさせてみると、ほうきを当てた場所に隙間ができたりする。見えているごみに意識が行ってしまうのだ。その時には「ペンキに隙間ができているよ」と伝える。
ほうきの使い方は、ごみを集めるのではなく、ごみのない場所を広げていくことに意識を向けさせていくという逆転の視点である。
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