日記指導の初日に達成感

教育技術シリーズ

 「日記指導の初日」の続き
 ここまで説明したら、子どもたちも何とか書けそうな気がしてきている。目も元気になってくる。
 そこで少しばかり圧をかけておく。

「だいたい15分で1ページ書けるといいねえ。」

 子どもがさらに驚くが、

「大丈夫、大丈夫、ほとんどの人が書けるから。それに初日だから書けなくてもいいよ。でも、今日は
 量が勝負、です。」

 と宣言して、始めてしまう。
 時間制限をすると、子どもは考え込まず、とりあえず見えたものからどんどん書いていく。

 質問が出たら適宜対応する。

「人間も書いていいんですか。」

「もちろんです。人を馬鹿にしたり傷つけたりしなければどんどん書いてください。
 例えば、先生はかっこいいとか。」笑いを取る。

「先生、あれはなんと言うんですか。」と名前を聞かれることがある。

「名前は知らないけど、何とか見たいなものがある、って書けばいいんだよ。」

 5分ほど経ったところで、何行書けたか挙手をさせていい。それを互いに見比べて、自分の実態を知ることもできる。

 さらにしばらくして、追加の助言をする。

「〇〇がある、だけ書くと書くことがなくなるんだよね。例えば同じ黒板でも、色が緑だとか、大きさは縦がこれくらい、横がこれくらい、とか、カーテンがついているとか、右端に日付があるとか、ほら黒板一つでも書くことが次々出てくるでしょう。色、形、数、大きさ、他と比べてみるなど、書くことはたくさんあります。」

 これでさらに書き進められる。
 10分くらい経ったところで様子を見ながら、

「1ページかけた人?」
と聞く。高学年であれば大半が挙手する。

「ね、書けたでしょう。」
 と軽くコメントしておく。

 こうしたやり取りで、まずは1ページ書ききったという体験をさせる。

 書く内容さえ見つかれば、1ページくらい書けるのだという体験を初日にすることで、次からは、そこが基準になる。
 仮に書けない子がいても、特別に何も言わなくていい。みながんばったことをほめておけばいい。

 こうやって、まず毎日1ページ書くこと共通理解となる。

日記指導ラインナップ
 日記指導のススメ
 日記指導の基本設定
 日記指導の初日
 日記指導の初日に達成感
 日記指導は「見たこと作文」から
 日記指導を理科・社会に転用
 日記指導のパターン強化
 日記指導「見たこと作文」系テーマ
 日記指導のテーマ一覧
 日記指導での見方・返却の仕方
 日記指導の小技

新・教育技術シリーズindex へ

タイトルとURLをコピーしました