初日は学校で書かせる。
いきなり家での課題にさせると、何をしていいのか分からない、嫌になる、投げ出す、そして提出しないというパターンができてしまう。
初日は学校で書かせることで、見通しを持たせる。これは自学でも宿題でも基本的には同じパターンである。学校で一度経験したものを家庭でさせるというステップを踏ませる。
日記のノートを配り、名前を書かせたりした後に、今日から日記に取り組むことと初日は学校で書くことを説明した。(なるべく短く)
ちなみにノートは横書きノートを縦向きに使わせていた。国語のノートも同じである。
こうすると、1行が適度な長さになり、反対に行数が増える。すると、黒板と対応しやすくなる。子どもたちも何の抵抗もなかった。個人的な意見を言わせてもらえば、この方が書きながらの視線の移動に無理がなく、子どもたちも書きやすいように感じた。
ノートが準備できたところで、説明をする。
「第1回目のテーマは『6年3組』(自分の学級)です。
では、教室を見まわしてください。教室にはいろいろなものがありますね。たくさんの人もいます。これをノートに書いてもらうのです。
ただし日記なので、今回は文字だけで書いて、イラストは描きません。」
説明を続ける。
「例えば・・・黒板がある、・・とか。」
子どもたちがざわつく。そんなのでいいのか、という顔をしている。続けて例を出す。
「机がある、とか、窓はガラスだ、とか、扉は2つあるとか・・・」
「6年3組について、できる限りたくさん書いてください。今回の日記は量が勝負です。最低1ページです。」
ここで子どもたちが「えー!」とざわつく。いきなりノート1ページと言われてもそんなに書けないと思い込んでいる。そこで付け加える。
「大丈夫ですよ。教室にはいろんなものがあるでしょう。例えば・・」
そう言って次々と礼を挙げていく。早口で言っても構わない。
「今、先生が言ったことを全部書いたらあっという間に1ページです。」
教師が話したことをただ書くだけでいいのである。今回は、1ページを埋めることが第一の目標であり、それ以上のことは何も求めなくていい。
「ただし条件があります。机、と書くのではなく机があります、と書いてください。」
この説明は、今後の日記の発展に重要な指導なので確実に伝えておく。
「それと嘘はいけません。例えば小人がいる、とか。」
笑いも誘っておく。
「そして、書いたことで人を傷つけるようなことは書きません。」
初日からこうしたことは指導をしておく。
教室を見まわす子どもたち。何となくイメージがつかめてくる。
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