社会科での音読の重要性は先にも述べた。(参照「あらゆる教科でできる音読指導」)
社会科では統計や写真の読み取りなども重要であるが、学習内容の全体をつかむためには、やはり文章からの理解は無視できない。
グラフが読めても、それが何のために今出されているのか、という全体の中の位置づけがあって初めて意味を成すのである。
したがって、社会科でも音読を重視する。ただし言語による情報の収集となるため、高学年向きではないかと考えている。
教科書を開かせ、ページを確認した後に
「今日は何の勉強をしますか。」子どもが答える。
「どうしてわかるのですか。」 見出しに書いてあることを確認する。
社会の教科書は、およそ見開き2ページの構成となっており、その冒頭には太字の見出しがある。これがその時の学習内容を示す。
(だから、社会科の学習でわざわざめあてを書かせる必要はないのである。)
「今から〇〇について勉強するのですよね。」
「先生が今から一回読みます。一度で理解するつもりで目で追ってください。」
と指示をして教師が読む。読み終わったら
「次は、君たちが自分で読みます。読みながら、今日の学習で大切だと思う言葉5つを選んで薄く線を引いておきなさい。」
荒く言えば、要約指導に近い。キーワードを選定することで、文全体の骨子をつかませるという流れである。
ここから先は展開が多様になる。
(社会科学習技術のページで詳述する。現在未掲載、ごめんなさい。)
キーワードを確定したら、それに従ってノートに書かせたり、教科書の統計や写真を読み取らせたりできる。
こうして音読することで全体の概略がつかめれば、個々の用語や資料の読み取り内容も頭に入ってくる。これを繰り返すだけで子どもたちは格段に社会の能力が高くなるのだから、実にシンプルである。
何より、子どもたちがよく分かるというし、分かることで好きになる。
音読指導ラインナップ
00 教室で行う音読指導
01 声を出させる音読指導
02 全体から個別への音読指導
03 個から自立への音読指導
04 集団に埋もれさせない音読指導
05 1文から始める音読指導
06 あらゆる教科でできる音読指導
07 微細にこだわる音読指導
08 黙読へ向かう音読指導
09 詰めにこだわる音読指導
10 進化した音読
11 暗唱と連動した音読指導
12 他教科へ波及する音読
13 裏技の音読指導
おまけ 音読の宿題は保護者に恨まれる
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