手の特徴

子どもへの言葉

 手を見てください。指には関節が3つあります。

(と言って、人差し指の先から順に折り曲げて見せるといい。中指から小指まで見せる。)

 でも、親指を見てください。
 1つめ、2つめ、・・・3番目の関節はどこにあるのでしょう。
 3番目の関節は、ここです。(といって動かしてみるといい。)

 親指だけ全然違う場所に関節があるのです。実はこれが人間にとってとっても大切なことなのです。

 ほかの指は握る方向が全部同じです。(やってみせながら)
 しかし、親指だけは反対の方向に指を向けて動かすことができます。これによって、物を握ることができるようになりました。
 犬や猫はものが握れませんよね。そもそも指が長くはありませんが。

 これは類人猿といってチンパンジーやゴリラ、オランウータンそして人間などが共通して持っている特徴です。
 もともと木の上で生活をしたそうなので、この指は木登りをするときに枝をつかむために進化したそうです。だから、チンパンジーなどは、足も手と同じような形をしていて、手か足かよくわからないくらい同じです。

 やがて人間のご先祖は、木の上から降りて地上で生活するようになったので、足だけが地面を歩きやすいように今の形に変わったそうです。

 この親指の特徴によって、人間は木の枝だけでなくいろんなものを握ることができるようになりました。それが道具を生み出すきっかけになっています。さらには、枝のようなものだけでなく、もっと細かいものでもうまくコントロールできるように脳が進化してきたのです。

 手を使っていろんなものを握ったり、細かいものを扱ったりするのは、人間の特徴を生かした大切なトレーニングです。

<補足>

 この話は、図工で手を描くときにも使える。

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