学級でのネットワーク強化の方法
学級では、さまざまなグループ編成を行うことができる。これを利用して、ネットワークを強化することができる。
給食当番や掃除分担、係活動などもネットワークの形成には大いに役に立っている。
こうしたグループは一時的に編成されるという性質から、役割分担やある程度の目的意識をもたせることでコミュニケーションを高めることができる。
席替えは重要な方法の一つである。子どもたちは学習中に席についていることが大半であり、その場所からグループなどもできる。隣同士の関係も重要である。
だから定期的に席替えを行い、しかもなるべくいろんな友だちが近くに来るような配慮を教師が意図的に行うことで、学級内に多様なネットワークを形成するきっかけができる。
子どもによっては、近くに座る友だちによって影響の受け方が異なってくることもある。
(落ち着かなくなったり、おしゃべりが増えたり、反対に学習に集中したりなど。)
席替えは、教室のネットワーク形成において教師の力が発揮しやすい場である。
運動会でリレーのチームを作ることがあるだろう。運動会直前では、しばらくこのグループで給食を食べるような期間を設けた。特別にリレーを話題にしなくてもいい。一緒に食事をしているだけで、何となく仲良くなれる。それでいい。
同じように修学旅行や自然教室のグループでも、給食を一緒に食べるような期間を設けることもできる。
こうしたグループは、年間の行事を進める上で編成される臨時的なものである。だから数日間だけ限定で給食を一緒に食べるというような「非日常性」によって親近感を出すことができる。やりすぎるとこれが「日常」に転化するので、ほどほどに。
授業で討論会を行う時に、同じ考えどうしで集まって「作戦会議」をさせることもできる。
日頃は話をしない友だちどうしでも、同じ意見を持っているという共通点で集まることで、つながりを作ることができる。
こうしてさまざまなネットワークを作るきっかけを、学習の場を通して設定していく。
注意点が一つある。
こうしたグループ活動では、楽しかった、うまくいったという成功体験がなければ、ネットワークの形成は難しい。単に組み合わせればいいというものではない。