バスケットボールの指導 作戦
バスケットボールの攻撃のパターンを最もシンプルに考えると、
リバウンド → パス → シュート
となる。
この間のパスが複雑になるだけで基本的にはこの構造になる。
これを作戦にしたあるチームは、一人をゴール下に置いておき、
リバウンド → ロングパスでゴール下へ → シュート(得点)
という方法で一時期連続勝利をしていた。
リバウンドは比較的上手な男子が担当し、苦手そうな女子をゴール下に置く。
チームの練習では、このシュート担当の女子にロングパスを受けて、すぐシュートする練習をしていた。
まさに「作戦立案、実行のための練習、成果」という典型的なパターンを採った事例であった。
バスケットボールのロングパスは怖い。しかし、これを何度も練習を繰り返しスムーズにつながるようになった。パスを受けシュートするという一連の動きも練習によってじょうずになっていく。
役割を与えられた女子は、シュートが成功するたびにみんなから賞賛され、得意な男子は女子をサポートしつつ、リバウンドの役割に徹していた。まさにチームとしての勝利である。
授業の初期は、ミニバスケット経験者のいるチームが勝っていたのだが、このような作戦と練習で勝つチームが増えて、中盤以降は力が拮抗してきたのも面白かった。
この方法はやがて他のチームにも広がっていく。しかし、広がるということは、封じ込める作戦の立てられることになる。相手もロングパスを封じるためにパスカットの方法を考えるなどして、このロングパス作戦は通用しなくなる。
それ自体は、学級全体としての動きの進化である。一つの単元を通して経験者も少ない4年生の子どもたちが、より高いレベルへとゲームも進化していく姿を見ることができたのは大きな収穫だった。