ハードル走3
ハードルを跳び越す(またぎこす)練習を始める。
ハードルを走り抜けるときに、体がなるべく上下しないようにするにはどうしたらいいか、それを考えていくとフォームはおよそ決まってくる。
一歩目を振り上げたときに、足がハードルに引っかからないようにする。一歩目が引っかかるとしたら足先またはかかとである。つまり、引っかからないようにするためには足先をハードルの高さまで一気に振り上げなければならない。
膝を曲げた状態で越えようとすると、跳躍になってしまう。膝をまっすぐ伸ばすことを意識しすぎると返ってぎこちなくなる。だから、かかとが当たらないように振り上げる、というイメージを持つ。
これを練習させるときには、ハードルを跳ぶ子どもを前からみて、「足の裏が見えるように」と指示する指導がある。先にも述べたように、「かかとが当たらないようすばやく足を振り上げる」と指示をしても同じ効果があるだろう。
一歩目の練習をするときから、一定の速さは必要である。
一歩目を振り上げるためには、体とハードルの間に一定の距離(空間)がなければ、足が上がらない。ゆっくり歩いて足を振り上げる練習をしていると、体のハードルの間に空間ができずに、動きが悪くなる。
練習の初期はゆっくりでいいが、少しずつスピードは上げさせる。そして、歩幅を大きめにとるように予め伝えておくといい。通常、歩く時より走るときの方が歩幅は大きくなる。だからゆっくり練習している時から、歩幅は意識させておく。
ハードルは初めは1台のみで練習するといい。いきなり連続して跳ばせると、フォームよりもタイミングに意識が行く。そのため、小走りになりフォームの練習は難しくなる。
ハードルから少し離れたところから、軽く走ってきて跳び越える(またぎこす)ような練習を繰り返す。
ハードルが人数分あると、練習の密度は高くなる。人数分がない場合は、二人で一台として、一人が足の振り上げをチェックするといい。二人が互いに合格できたら、教師に見せるというような方法で進めていけば、効果は上がるだろう。
安全のため、ハードルは同じ方向、同じ向きに置かせる。練習する子どもは同じ方向に走るように場を設定する。