走り幅跳び1
走り幅跳びの学習は、砂場でする。安全のためには当然である。
しかし、場所が狭い。狭いので活動量がどうしても制限される。
体育研究の実践などを見ると「二種競技」「三種競技」などと称して、走り高跳びやハードル走と同時に行っている実践例がある。この運動量の少なさをカバーするのも一つの理由なのかもしれないと考えている。
走り幅跳びの学習の最大の課題
この学習で教師が注意を払うべきことは「跳ばせること」だと考えている。
子どもたちの動きをよく見てみると分かる。実は「跳んでいない」子どもたちがかなり多数いることに気づく。サボっているのではない。きちんと列に並び、助走して、砂場に着地している。しかし、跳んでいないのである。
跳ばずに大股でまたぎこすような動きの子どもがいるのである。
助走してくる。その勢いで、まるで水たまりをまたぎこすような動きをしているのである。
広くは「跳ぶ」という動作には入るのだろうが、あの動きでは今後記録は伸びない。本来陸上運動的に言われている走り幅跳びの跳躍になっていないからである。
その子どもたちももちろん悪意があるわけではない。やる気がないわけでもない。跳び方が分かっていないのである。
そもそも助走してきて跳ぶのだから、距離を伸ばすためには、前に足を出すだろうと思うのが当然である。水たまりを跳び越えるならそれでいい。しかし、ここからさらに跳躍するためには、高さを生み出さなければならない。
記録が伸びている子どもたちの跳躍と、そうでない子どもたちの跳躍に明らかな質的な違いに気づき、そこに切り込んでいかなければならない。
この発想の転換と、高さを生み出すための効果的な練習が、授業の「肝」になる。
残念なことに、このことに気づいている教師が少ない。だから跳び方の指導はしているのだろうが、記録の伸びない子どもたちの跳躍の仕方に限界があることに気づいていない。
中には砂場の手前に段ボール箱を置くなどして高さを生み出そうと工夫している授業もある。一定の成果はあるようだが、どこかしら中途半端でもある。(私も段ボール箱を使ったことはある。)
授業の展開を示そう。