体育指導42走り高跳び5

走り高跳び5

 第2時

 場づくりは、第1時と同じ形。

 準備運動は跳躍と足首をよく回しておくこと。体育の準備運動は、種目によってその内容が多少変わる。走り高跳びで一番危険なのは、足首の捻挫である。

 準備ができたら、早速試しに跳んでみる。

 第1時同様に、50cmから跳ぶか、慣れているようであれば、55cm、または60cmから跳ぶ。いきなり自分の最高値で跳ぶのではなく、安心して楽に跳べる高さから始める。

 はさみ跳びの跳び方を確認するためである。

 助走、踏切の位置や方向、踏み切る足の順序などを跳びながら確認する。

 一度できているからと言って、次から同じようにできるとは限らない。何度も何度も繰り返していきながら、まさに「体で覚える」という状態になるまで体験させる。

 子どもたちにとって、走り高跳びの跳び方を日常で行うことはない。そもそもそのような高い跳躍をする経験もない。非日常的な運動であるからこそ、この「慣れ」の時間は重要である。

 これまでも「原初的なおもしろさ」について述べてきた。走り高跳びに「原初的なおもしろさ」は、まさに高い跳躍、障害物であるバーを跳び越えるふわっとした感覚そのものである。子どもたちが高さに挑もうとするための前提として、低くて楽に跳べる高さで、その感覚を十分に味わわせておくこともねらいである。運動に慣れてくれば、より高い難度に挑戦しようとする意欲が出てくる。

 子どもたちの運動の状況に合わせて、バーの高さを上げていく。スタンドは数台あるのでそれぞれの高さを変え、子どもたちが自分の跳びたい高さの場所に移動できるようにする。

 慣れの運動から、記録に挑む運動に自然に転換していく。

 第2時までは、跳べそうな子どもが増えてきても、高さをそれほど上げていかない。

 70cmから80cmくらいのところで何度も経験させていく。助走の向きや距離、バーへの進入角度など、心地よく跳べる自分の型を決める時期である。

 いきなり高さに挑戦すると、そうした型が崩れていく。繰り返すが、子どもたちは中学校の陸上部ではない。動きそのものがまだ不安定なのである。

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