器械運動 全般3 「筋力の発達は中学生から」
運動の能力の発達には適時性がある。
小学生の間には筋力はそれほど大きくは発達しない。
小学生の間に発達するのは柔軟性や巧緻性(バランス感覚)だと言われている。
これはあるスポーツの種目のトレーニングをいつから始めるのかを見るとおよそ分かる。
オリンピックの重量挙げの選手を養成するのに小学生から、という話は聞いたことがない。
これに対して、新体操は十代さらにはシングルエイジから始める。始めないと遅いとも言われる。
マラソンの選手だって、小さい頃から鍛えたりしない。
ここから小学校における体育の学習の基本的なスタンスが見える。
小学校の体育では筋力や心肺機能を高めることより、運動感覚を身につけさせよう。跳んだりはねたり、回ったり、ボールを投げたり取ったり蹴ったりするような感覚を身につけさせよう。
もちろん運動能力が高まりある一定の運動をこなすようになれば、筋力も心肺機能も高まるだろう。
しかし、小学校の体育がいわゆる「鍛える」こととはやや違いがあることは、頭に入れておくべきである。