予算を裏付けるエビデンス

働き方改革

 教育現場で働く立場からすれば、教育に予算を使ってほしいと思うのは当然だ。
 私も痛烈に思っている。

 しかし、
 「では、どうしてお金が必要なのですか。」
 と言われたときに、
「教育は国家百年の計だろう。未来を支えるのは今の子どもたちだ。」
 と答えても、そのような論理ではお金は動かない。

「もっと防衛力を増強しないと、飛んでくるミサイルに対応できない。」
「犯罪対策に警察の人員を増やしたい。」
「難病の研究として医療にかかる予算が欲しい」
「物理や化学の研究を充実させ、日本を今一度技術立国へ」
などなどどの立場でもお金を増やすことな願っているのだ。どこも一理ある。

 さらに
「それで、今からどのくらいあればいいのですか」
と質問されると、答えられる人はほとんどいなくなるだろう。

「学校にあと一人、教員が増えるといい。」
と答えると、次にこんな質問が来る。
「それで、どんな教育効果があるのですか。」

 確かに現場にあと一人増えるだけで、負担はかなり軽減されることは、感覚的に分かる。
 しかし、それを説明するだけの根拠、エビデンスがない。

 自衛官だって、警察官だって、消防士だって、介護士だって、みんな今よりも増えた方が現場は助かる。
 なんだかどんどん悲しい話になってきた。

 マスコミの報道などで教師のブラック化など話題になっている。
 しかし、断言するがこのくらいの話題では、国家や地方の予算などびくともしない。
 政府も検討すると言っているが、いつどのような形になるのか見えてこない。そもそもわずかの給料アップや人員確保など末端の現場までくれば、よく分からなくなる。

 教育現場の惨状が、社会全体にものすごい悪影響を与え、それが連日マスコミで報道されるくらいになれば、少しくらいは変わるかもしれない。しかし、今は他にも問題が山積みなのである。

 それに対して、なんだかんだ言っても、今教育現場は回っている。
 内情は大変であっても、一応今でも機能している。いや、機能しているように見えている。

 だから、教師に残業手当など出る可能性は今のところ大した期待はできないと思っている。

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